劇団アントンクルー『桜の園』
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劇団アントンクルー『桜の園』を観ました。

初アントンクルーさんでしたが、幅広い年齢層と声色をお持ちの俳優さんが
集まっていらして心地良い空間でした。

今年の宮崎『時空の旅シリーズ』を観に行った後に『三人姉妹』の原作本を買いまして
『桜の園』も収録されていたので本を持っているのですが、
未だ読んでいないという体たらく。なので戯曲がまず興味深かった。

公演後に帰りながらチェーホフ氏が書いた順番は、
かもめ→ワーニャ伯父さん→三人姉妹→桜の園なんじゃないかと思いましたが、
調べてみたらやっぱりそうだった。

『かもめ』からしたら物語の終わらせ方はかなり変化していてそれが面白いというか
心の軌跡を見ているようでした。

今週末までぽんプラザホールで上演しているそうなので、
未見の方は是非。ここからはネタバレが含まれます。






僕の好みの話を少し。

ぽんプラザホールで囲み舞台になっていましたので舞台空間は結構タイトでしたが、
もう少しゆったりとした空間なら更にいいなぁと思いました。

複雑に絡む関係を様々な角度で見られるので囲みには賛成なのですが、
【そこに居る人】との距離が近かったような。

19世紀末のロシア(だと思いましたが間違っていたらゴメンなさい)に生きる人々が、
手の届く距離に居ることが僕らの感覚との距離が測りにくくて少し困った。
もう少し【遠く】で起こっていることに感じたからです。

希望を言うなら、人々が居て、桜の園があって、
その外から観ていたい舞台でした。

当時のロシアの生活にどのくらい忠実なのかは解りませんが、
人と人との距離感にも少し違和感がありました。

人々の身分の差が良く解らなくなっていたのは確信犯でしょう。
厳格なはずの身分。それが貧しい農夫の男が大地主になっていくような時代の変換期。
そこには今この時代に上演する意味を感じました。

気になったのはハグや手にキスという行為。
やっぱり日本人には特別な行為に見えてしまうのもあるけど、
それよりそれが、より変貌していく人と人との距離を象徴しているように感じた。
これも確信犯だろうか。


この世界の人々は、閉塞と抑圧が鍵だと思っている。
少なくとも『三人姉妹』まではそうだと思ってた。

閉鎖的な世界で、そうだ出て行こう。明日には世界はもっと良くなっている。
そう言いながらどうしようもなく世界は変わらない。

それが『桜の園』ではチェーホフの中でどう変わっていったのか、
いや当時の世界で変わったのか、変わっていないのか。
その辺を原作を読んで考えたいと思いました。

俳優では酒瀬川さんが良かった。

今まで台詞を喋ってるのを聴いたことなかったんですが、
幅と奥行きのある声を持った俳優。

その複雑な身の上と人間関係の中での
抑えた演技が印象に残りました。
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by rawworks | 2011-11-10 16:39 | 演劇
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RAWWORKSの川内清通です。長崎を拠点に活動する劇団F's Company所属。 rawworks.kawachi@ gmail.com
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