一瞬、迷いました。 4月20、21日と『prayer/s』稽古の為に鹿児島に行っていました。 来たぜ、鹿児島まで。 『ワーク・イン・プログレス九州』という 文字通り九州を走り回る芝居作りになっております。 前回まではワークショップだったので、 今回が稽古開始となったわけですが、 ワークショップの濃密さゆえに不思議な感じでしたね。 もう一ヶ月くらい作ってなかったっけ?みたいな。 稽古は作、演出の永山さんが書いてきたテキストを基本に進んでゆく。 今まで全くテキストが無かったこともあって 何か芝居を作ってる感じ(?)がしました 永山さんが書いてきた、多分これまで読んだことが無いようなテキストを 読んだことが無いような読み方で提案される俳優たち。 演技という縛り。 俳優以前の人間としてのリアル。 今回の稽古で解ったのは、本番で形作られるだろうこの芝居の 最終形が全く想像出来ない、ということか。 まぁそんなのは考えるつもりもない。 その瞬間、その瞬間で感じることを素直に感情としての表現に繋げていく 表現者として必要以上の責任を背負わない よく「演技に正解はない」と言われますが、 通常の演劇創作現場では、「それなりの正解らしきもの」はあるような気がします。 正確には「正解だと思い込んでいるもの」ですが、 それは脚本という設計図があり、集団創作作業なのですから 必要なことです。 しかし今回ばかりは本当に正解がありません。 俳優の人生を出発点にした脚本、 そしてそれぞれの人生を背負った人々が出会う場所としての舞台が この『prayer/s』の基本ですから、 僕も含めて俳優としてこの作品に接した人は、 「人生には答えが無い」という誰でも知ってることを 身をもって感じることになるのでしょう。 稽古場に居るのは、俳優2人と 演出家1人と演出補佐1人。 世界の大きさ、宇宙の壮大さからすれば もの凄く小さな世界で作られている作品ですが、 その先にあるものは紛れも無く宇宙であり世界です。 この作品が行き着くところが本当に楽しみです。 それはきっと人生を楽しもうと思う気持ちと同じなのでしょう。 絶望も妬みも痛みも快楽も安らぎも全て抱えて、いま、ここに、いる。 そんな人々の出会いを観に来ていただければ幸いです。 あなたと出会えることを何よりも楽しみにしています。
by rawworks
| 2011-04-23 14:32
| 演劇
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